Q&A

腰の痛み

ぎっくり腰になったのですが、がんばって動いたほうがよいですか?癖になりませんか?
ぎっくり腰とは、突然、急激に起こる腰痛症のことですが、正式な病名ではありません。一般的には“ぎっくり腰”は腰椎捻挫や急性の腰部の筋膜炎のことを指します。ぎっくり腰の原因の多くはまだ分かっていませんが、腰の関節の捻挫(ねんざ)やねじれ、腰を支える靭帯の損傷、腰を支える筋肉の肉離れなどが主な原因とされています。 “ぎっくり腰”の加療はまず安静にすることです。不適切な手法によるマッサージ等は、かえって症状を悪化させる場合も稀ではありませんので、くれぐれもご注意ください。家庭ではシップを貼って、固定用のベルトがあればベルトをして(なければさらしを巻いてもいいです。さらしもすぐには手元にないことが多いですが。)腰部の安静を保って下さい。ぎっくり腰ならしばらく安静を保っていると痛みは徐々に楽になってきます。そして痛みが楽になり次第、次はなるべく動くように心がけましょう。何日もゴロゴロ横になっているとかえって回復が遅れることがあります。しかし、“ぎっくり腰になった時はまずは安静にし寝ていることが一番です”と言っても仕事に行かなあかんから寝とれん!と言う方は整形外科を受診されることをおすすめします。消炎鎮痛薬(内服、外用、座薬)の処方や、注射を受けることで回復がはやくなります。当クリニックでは、椎間関節、仙腸関節、腰部筋・筋膜などへ、エコーを用いてのハイドロリリース注射や腰部・仙骨硬膜外ブロックを行っています。その上、病院で処方してもらう腰痛ベルトは健康保険の適応ですから、市価で5000円以上するベルトが、3割負担の方で700円程度(診察料は別ですが)で処方してもらえます。また痛みが続く場合は、急性の腰痛を“ぎっくり腰”だと思っていても、実際は腰椎椎間板ヘルニアであったり、化膿性脊椎炎であったり、恐ろしい場合は癌の転移による骨折であったりすることがあるので、それらの疾患を鑑別(区別)するために整形外科を受診されることをおすすめします。ところで、実際によくぎっくり腰を繰り返す人がみられますが、ある意味では癖になると言えるでしょう。これは一度痛めた腰の関節や靭帯が加齢や老化によってゆるみ易くなるためだと考えられます。一度でもぎっくり腰になった人は、その再発予防のために、腰椎体操などで筋力強化を行いましょう。腹筋、背筋の筋トレを毎日継続すること(たとえ1日10分でも)が予防となります。