上記の症状では、頚椎の中を通る中枢神経である脊髄の通り道(脊柱管)が窮屈になり、脊髄本管が圧迫される脊髄症を生じています。
その診断は椎間板ヘルニアにより脊髄本管が圧迫されると
頚椎椎間板ヘルニアの脊髄症、また椎間板の変性や骨棘の形成と背骨をつなぐ靭帯が厚みを増して脊髄本管が圧迫されると
頚椎症性脊髄症ということになります。
ヘルニアや脊髄への圧迫などはMRI検査により調べます。
脊髄症状が出現し、下肢の麻痺があり歩行障害が生じている場合は、手術を考慮します。
脊髄症状の具体例は
- ①知覚障害
両方の上肢から手指、体幹(身体の腹部側と背中側の両方)、さらに両方の下肢から足の指や足底部がしびれます。(特に足底部のしびれは、ものが張付いた感覚で気持ち悪いと患者さんは訴えられます。)
- ②手指巧緻(こうち)障害
手指の動きが悪くなります。たとえば、ぼたんかけが難しくなる、はしで食べ物をつかみにくい、字が書きにくいなどの症状です。
- ③下肢痙性麻痺(けいせいまひ)歩行
両下肢の力がはいりにくく、膝が抜けたような歩き方になります。特に階段をおりるのがこわくなり、手すりなどを必要とします。
- ④膀胱直腸障害
排尿や排便に異常が出ます。
などです。