骨粗鬆(しょう)症にかかりやすいのはどんな人ですか?
骨粗鬆症は「性別・年齢・遺伝・体質」など自分では避けられない条件と、「食生活・運動不足・喫煙・過度の飲酒」などの生活習慣が関係しておこります。
- 1)女性
- 女性ホルモンのエストロゲンは、腸でカルシウムの吸収を促したり、骨の細胞が壊れるのを抑えます。閉経するとこの働きが抑えられ、骨の量が減ってしまいます。骨粗鬆症は、女性に圧倒的に多く、その数は50歳代から急速に増えはじめ、発症頻度は男性のほぼ3倍と言われています。
- 2)加齢
- 加齢によって骨代謝のバランスがくずれ、骨の量が減ってしまいます。特に女性はもともと男性よりも骨の量が少なく、50歳以降になると急速に減っていきます。
- 3)遺伝・体質
- 骨粗鬆症、あるいは骨折しやすい近親者がいる人、またやせている人や筋肉が少ない人も骨粗鬆症になりやすいといわれています。
- 4)ほかの病気の影響など
- ステロイド剤の使用、関節リウマチ、甲状腺疾患、糖尿病、胃腸手術の後、肝臓病・腎臓病の人などは、骨粗鬆症の危険性が高くなります。
骨粗鬆症を引きおこすとされる代表的な薬剤に、ステロイド剤があります。この薬は、女性ホルモンの分泌を抑え、骨をつくる細胞の働きを弱めるため、骨量を減少させ、骨粗鬆症を誘発すると考えられています。(ステロイド性骨粗鬆症)ステロイド薬を長期にわたって服用されておられる方で、骨粗鬆症の治療薬を飲まれていない方は、今後骨折を起こす可能性が高いので一度主治医にご相談ください。
- 5)かたよった食生活
- かたよった食生活、特に骨に必要なカルシウムやビタミンD・Kが不足すると、骨量が減ってしまいます。
- 6)運動不足
- 運動不足の人は、骨に負荷(圧力)がかからないため、骨が弱くなります。さらに筋力やバランス力も衰え、転倒・骨折しやすくなります。
- 7)喫煙
- タバコを吸うと胃腸でのカルシウムの吸収が阻害され、女性ホルモンの分泌も抑えられるため、骨量不足を招きます。当然のことながら、喫煙は骨だけでなく、全身の健康にも害があります。
- 8)過度の飲酒
- アルコールには、腸でのカルシウムの吸収を阻害する作用があります。また、飲み過ぎると尿にカルシウムが排せつされ、カルシウムが不足してしまいます。