骨粗鬆(しょう)症

骨粗鬆症(しょう)症の治療について

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 さて骨粗鬆症の治療についてです。
骨粗鬆症の治療には1、食事 2、運動 3、薬による治療が代表的なものとなります。

 まず食事について説明します。
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKを十分摂取することが必要です。まずはカルシウムについてです。日本人のカルシウム摂取量は1日500mg台で所要量の600mgに達していません。(骨粗鬆症の予防には800mgが必要です。)なお、カルシウムの腸からの吸収には、ビタミンDの働きが必要です。ビタミンDも不足しないように注意しましょう。また、ビタミンKはカルシウムの排出を抑える働きがあります。さらに、塩分、アルコール、コーヒーは過度に摂取すると骨量減少につながりますから注意してください。

カルシウムの多い食品 : 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)、大豆製品(豆腐、油揚げ、納豆)、魚類、海藻類、野菜(小松菜、炒りごま)など。
ビタミンDの多い食品 : さけ、さんま、さば、かつお、うなぎ、まぐろ、いわし、干ししいたけなど。
ビタミンKの多い食品 : 納豆、小松菜、納豆、ブロッコリ-、ほうれんそうなど。

 骨粗鬆症の治療薬についてです。

①カルシウム製剤、ビタミンD、K製剤…食事療法を補い骨形成を促進させます。
カルシウム製剤:骨の主成分であるカルシウムを補給する薬です。
ビタミンD3製剤:腸からのカルシウムの吸収を助けるビタミンDを補給する薬です。
ビタミン K2製剤:カルシウムの排出を抑える働きをするビタミンKを補給する薬です。

②ビスフォスホネート製剤
骨吸収を抑えて、骨量を増加させます。この薬が現在処方されている骨粗鬆症の薬の中で、明らかに骨折の発生頻度を減らすことが統計学的に確認されている薬です。ただし、胃からの吸収が悪いため飲み方がややこしく、朝起床時に(食事の前)に水で内服し、その後は横にならないようにして30分間飲食は控えないといけません。この薬は毎日飲むタイプと、1週間に1回だけ服用するものがあります。

③エストロゲン類似製剤
骨吸収を抑えて、骨形成を促進させる製剤です。女性ホルモンのエストロゲンと同様の作用をもつ薬で、骨量増加と骨折防止の効果が認められています。

④カルシトニン製剤(エルシトニン)
骨の破壊を抑える注射剤で、骨粗鬆症による疼痛(腰痛など)に効果があります。注射剤で通院治療が必要です。

これらの薬は、副作用や患者様の他の疾患に対する薬とも考慮して処方されるものなので主治医と相談してください。