病院で肩(肩峰下)インピンジメント症候群と言われました。何が原因なのでしょうか?
まずインピンジメント症候群について説明します。たとえば、滑液包(骨頭が屋根の下をくぐるときのクッションのような働きをしているふくろ)がはれてきて(肩峰下滑液包炎)、癒着(ゆちゃく)をおこしてくると、肩の上げ下げのときにこのふくろがスムースに動かず、肩峰(けんぽう)と鳥口(うこう)肩峰靭帯により構成されている肩峰下面「アーチ」(屋根)と骨頭との間で、腱板がこのふくろとともにはさみこまれてしまいます。そうすると肩にひっかかり感や痛みを感じるようになり、やがて肩はあがりにくくなってくることがあります。これをインピンジメント症候群と言います。(インピンジメント:突き当たる、衝突するという意味)。インピンジメント症候群の原因としては、肩峰下滑液包炎だけでなく、腱板炎(腱板自体のはれ)や腱板断裂でも上記と同様にインピンジメントが起こります。
診断はエコ一検査を行い、肩峰下滑液包と腱板のはれ、腱板断裂の有無を調べ、肩外転時(肩を外側方に挙げる)に腱板や滑液包の肩峰下への滑動(かつどう)状況(すべり具合)を調べます。また痛みがひどい時は、治療もかねて肩峰下滑液包炎に麻酔薬をエコ一ガイド下で注射し、即座に痛みが軽減した場合は(インピンジメントテスト陽性)、最終的にインピンジメント症候群と診断されます。
肩峰下滑液包炎や腱板(棘上筋腱)損傷のかなりのものが、見方を変えれば、インピンジメント症候群と言えます。