Q&A

体のしびれ

足首の内側のくるぶしから足の指や足の裏にかけてのしびれと痛みがあります。
外出から帰り、屋内暖房や入浴によって急に足部が暖められると、足の裏に何とも言えない違和感があります。灼熱感があり足を冷やしたくもなります。
夜間就寝時でも痛みがあり、最近になって足の指に力が入りにくくなってきました。
また足首の内側のくるぶしが、何かにあたるとしびれや痛みが足の指や足の裏に走ります。
どんな病気が考えられますか? またその治療は?
  上記症状から、足根管症候群(そっこんかんしょうこうぐん)の可能性を疑います。
 足根管症候群は、足関節の内果(ないか:足首の内側のくるぶし)の後下方において、足の骨と屈筋支帯という靭帯成分に囲まれたトンネル内(足根管)で、脛骨(けいこつ)神経が圧迫されて起こる神経障害です。
 本症の原因としては特発性といわれるような明確な異常所見がない原因不明のものもあります。しかし、最近ではガングリオン、足根骨癒合症(そっこんこつゆごうしょう:足部の一部の骨が、周囲の他の骨とひっついている疾患)による骨性隆起(こっせいりゅうき:骨の突出部分)、外傷およびその後の出血、腫瘍などが存在して起こる場合が多いとされてきています。特にガングリオンによるものが多いといわれています。
 足根管症候群では、足根管部【足関節の内果(ないか:足首の内側のくるぶし)の後下方部】を軽く叩くとや足の指や足の裏にしびれや痛みが走るティネル(Tinel)徴候や足底部の知覚障害を認めます。
 その他に神経伝導速度の計測により、脛骨神経の圧迫部位を調べ診断します。
 重要なことは何によって脛骨神経が圧迫を受けているかです。骨性隆起(こっせいりゅうき:骨の突出部分)などはX線像やCT像で、ガングリオン、腫瘍はエコ-像やMRI画像で確認します。
 治療はまずは保存的治療を行います。局所の安静、湿布や消炎剤の軟膏の塗布、足底板の装着などがありますが、ステロイド剤の局所注入が有効です。脛骨神経を圧迫するガングリオン、腫瘍、骨性隆起などがあり、保存的加療で症状がよくならなければ手術によって屈筋支帯を切離し、神経の圧迫を取り除き、これらの圧迫存在物を切除します。
 ただし鑑別診断として糖尿病性末梢神経障害や腰椎疾患は絶えず念頭に入れて診断します。