手根管症候群と診断されました。
症状は親指、ひとさし指、中指、くすり指のしびれと痛みなのですが、今後の治療はどのようにされるのでしょうか?
治療は、まず内服(ビタミンB12、消炎鎮痛剤)などの保存加療を行ないます。
また、スポーツなどにより過度のストレスを手関節に与えたことによる一過性の症状である場合には、これらの運動を一時中止することで神経が回復し症状の改善が得られます。
一時的な手関節の固定などによる局所の安静を行うことがあります。(装具による夜間の手関節の固定:ナイトブレース。)
時に痛みを抑えるステロイドと麻酔薬を混合した注射を手根管内に行います。(ブロック注射)
しかし、これらの保存加療が無効でしびれや痛みが強くなり、不眠、就労困難など生活上の障害が出現した場合は手術を検討します。
手術は正中神経を圧迫している横手根靭帯のみを切離することで、正中神経の圧迫を取り除きます。
母指の付け根(母指球)がやせてきて、縫い物やボタンかけなどの細かい作業が困難となり、OKサインができにくくなる、物をつまみにくいなどの親指の動きにくさを感じるなどの手指の動きの障害(運動障害)が生じ始めた時期は、早期に手術を行わなければなりません。
運動麻痺が出現しているにもかかわらず手術せず放置し、手術の時期を逸すると、神経の圧迫による神経の損傷が進み、手術をしても術後十分な回復が得られない場合が多くなってきます。
このことは手根管症候群だけでなく肘部管症候群、ギオン管症候群 でも同様のことが言えます。