①局所症状
首、肩甲骨付近の痛みや肩こりなどの症状が出ます。首を動かすと痛みが増しますが、手のしびれはありません。
②神経根症
主に片方の首~肩~腕~手にかけてのしびれ、痛み、力が入りにくい(運動障害)などの症状です。これは脊髄の枝(神経根)の障害によるものです。
具体的には
背中で特に肩甲骨周囲あたりから痛みを感じ始めた。
夜間の肩甲骨周囲の強い痛みのために寝られない、朝方に目が覚めてしまう。
非常に痛みが強いために首を反対の手でおさえながらの姿勢をとる方が多い。
片方の肩、腕から手指につながるようなしびれや痛みが出てきた。
天井を見上げ首を後方へのけぞる姿勢で痛みが増強する。
片方の上肢の力がはいりにくく、握力が低下する。
などの症状です。
背骨をつなぎ、クッションの役目をしている椎間板は20歳過ぎから変性(老化現象)が始まると言われます。この変性が進むと椎間板にひびが入ったり、徐々につぶれてきたりなどの変形をきたします。椎間板軟骨の一部が後方に突出したのをヘルニアといいます。
椎間板の変性が進むと、それに伴い骨が変形して骨の出っ張り(骨棘:こつきょく)が生じたり、背骨をつなぐ靭帯が厚みを増してくるなどの変形が起きたりします。
不良姿勢、繰り返しの重量物の挙上、頚椎に過度の負担のかかる運動などはこの変性や変形を早める可能性があります。
①局所症状
●ヘルニアの変性や頚椎の骨の変形などが原因で、周辺の筋肉に負担がかかり局所症状が出現します。
②神経根症
●ヘルニアが頚椎の間(椎間孔)を通って腕に走る神経根(脊髄神経から分岐し腕にのびる神経)に触れると頚椎椎間板ヘルニアの神経根症になります。
●椎間板の変性に伴い骨が変形して骨の出っ張り(骨棘:こつきょく)を生じますが、これが神経根(脊髄神経から分岐し腕にのびる神経)に触れると頚椎症性の神経根症になります。
椎間板から突出したヘルニアにより神経根が圧迫されるものを頚椎椎間板ヘルニアの神経根症、椎間板の変性などに伴い骨が変形して骨の出っ張り(骨棘)により神経根が圧迫されるものを頚椎症性神経根症といいます。
症状からその可能性が考えられる場合は、単純レントゲン撮影を行うことで、頚椎から突出する骨(骨棘)を確認することができます。ヘルニアや脊髄への圧迫などはMRI検査により調べます。