Q&A

肩関節のスポーツ障害

野球の投球時に肩が痛いのですが、どうして痛みが起こるのですか?
  肩の滑液包には、骨頭が肩峰(けんぽう)と鳥口(うこう)肩峰靭帯により構成されている肩峰下面の「アーチ」(屋根)の下をくぐるときのクッションのような役があるのですが、ボールを投げすぎてその後の手入れも十分にしないままに放置しているとこのふくろが腫れてきます。(肩峰下滑液包炎)また腱板そのものも腫れてきます。(腱板炎)ふくろや腱板が腫れ(はれ)や癒着(ゆちゃく)をおこしてくると、肩の挙げ下げのときにこのふくろがスムースに動かず、屋根と骨頭との間で腱板がこのふくろとともにはさみこまれてしまいます。そうすると肩にひっかかり感や痛みを感じるようになり、やがて肩はあがりにくくなってきます。これをインピンジメント症候群と言います。(インピンジメント:突き当たる、衝突するという意味)。  
 診断は超音波診断装置(エコ一)検査を行い、肩峰下滑液包と腱板の腫れの有無を調べ、肩外転時(肩を外側方に挙げる)に腱板や滑液包の肩峰下への滑動(かつどう)状況(すべり具合)を調べます。
 このような状態になればすぐに投球中止(ノースロー)とし、肩を安静にすれば多くは約1から2週間以内でふくろや腱板の腫れはおさまります。腫れがおさまったかどうかはエコ-で検査し、前回の検査結果や健側(けんそく:痛くない側の肩)と比較すれば簡単にわかります。