手術によって切除された膝の半月板は再生され、数年後に元に戻るのですか?
切除した半月板は再生されません。よって切除する半月板は損傷した箇所を中心として最小限にとどめるように切除術を行います。
手術をしなければならない程に損傷した半月板をそのままに放置しておくと、損傷部位が徐々に拡大し、関節軟骨の軟骨損傷部位も拡大します。また将来手術を余儀なくされる場合には、手術により切除する半月板の範囲も広がってくるため、手術後は残存する半月板が少なくなってきます。損傷が明らかな半月板を放置しておくことは、このような理由で良くありません。損傷が大きくなる前に、最小限の被害ですますように半月板を切除するということになります。
膝の半月板の単独損傷に対する切除術の予後は、10~20年経過すると切除部位に関節症変化をきたし、変形性関節症を生じますが、重篤な症状を呈することはまれであると言われています。
ただし、前十字靭帯が断裂した膝に靭帯再建術を行わず半月板切除のみを行ない、その後スポ一ツ活動を続けると高度の関節症をきたす危険性が高まります。