Q&A

スポーツ障害

家庭でできる傷(きず)の応急処置は?
  以前より、【傷(きず)は乾かせて、かさぶたをつくらんとあかん】って言われることがありますが、はっきり申しましてこれは間違いです。
 傷は乾燥し、かさぶた(痂皮:かひ)を作った時点で、傷の治癒過程の停止状態と考えられます。傷から出る浸出液(しんしゅつえき)には傷の治癒をおぎなう血小板、好中球、マクロファージ、サイトカインなどの成長因子が含まれています。これらを覆い湿潤(しんじゅん)した環境におくことで、傷は早くきれいになおります。
 ただし、汚染された傷はまず感染(かんせん:傷にバイ菌が繁殖する)を抑える治療が必要です。このため汚染創は十分に洗浄(生理食塩水が望ましいですが、水道水でもいいです。)する必要があります。

家庭でできる傷の応急処置は

1)まずは汚染している(きたない)傷(泥や砂がついているような傷)の場合、それらを十分な水道水で洗い流してください。

2)取れにくいときは、きれいなガーゼやハンカチなどで軽くこすって異物を除去してください。

3)その後10分程度、きれいなガーゼやタオルで傷を押さえてください。(傷が深いとき、汚染が取れないとき、異物が残留しているとき、圧迫しても止血されないとき、動物に咬まれた傷の場合は医療機関を受診してください。)

4)次は、化膿止めの軟膏(なんこう)を用意していただき、十分に塗って、湿潤環境に保つため市販のサランラップを上に貼り付けてください。
小さい傷のときは、「BAND-AID(バンドエイド) キズパワーパッド」(ジョンソンアンドジョンソン)が便利(割高ですが)です。

5)その上から、余分な浸出液(しんしゅつえき)を吸収するようにガーゼを当ててください。

6)ガーゼをテープ、包帯等で固定してください。

7)この作業を、入浴後に傷がふやける前にすぐ繰り返してください。1日1回でOKです。

ただし、傷からの膿(のう:うみ)が多いとき、傷の周りが発赤(ほっせき:赤くなる)して感染(かんせん:傷にバイ菌が繁殖する)が疑われるときは、医療機関を受診してください。